お料理する上で大切でなくてはならない道具の箸。
日本料理では調理する箸と盛り付け用の箸を使い分けます。
思う姿の盛り付けを追及していくと、盛り付け箸もできるだけ繊細で使いやすい物を求めるようになります。
京都の老舗箸専門店で求めた盛り付け箸は職人さんが手作りで削り作られた箸先が細く、やはりとても使いやすいです。
良い道具を大切に使っていく。消費社会ですが、生活全般ににおいて見直してみたい事です。
私が専門にしている懐石料理では料理によって青竹を使い分けます。
裏千家では焼物が中節、煮物などは元節と節の位置が違う箸を使ったり、香の物は両細といい、真ん中がふくらみ両端が細くなっている箸を使います。
お茶の流派によってどの料理にどの箸を使うのかは異なってくます。
出張料理の日程が決まると、その前日に削りたての青竹の箸が届くように準備します。
青竹のみずみずしい色はそのままにしておくと色が白く変色するため、気を遣います。
箸一つにおいても、もてなしの心を大切にする、その心が懐石料理には込められています。
和菓子を頂く時に添える黒文字。
こちらも切り口が青く削りたての物を用意します。
本来はもてなす亭主自らが削ったものを用いるのですが、今の時代においては購入する事がほとんどになりました。
毎日、毎食使う箸。皆さまもこだわりのお箸を見つけてみてはいかがでしょうか?